噛むことと、顔の成長についてご紹介します。

 人は猿から進化するにつれて、脳容量が次第に増えてきたことが分かっています。

 

初めて二足歩行を始めたとされる人類は500㏄ほどだったのが、現在は1450㏄ほどになっています。この増えた脳容量を支えるために頭蓋骨の発達を促したという論文があります。

 

 その論文によれば、前歯で噛む力が骨に伝わり、上顎を奥に広げ、鼻腔を広げること、鼻呼吸しやすいようになります。その結果、今のヒトと類人猿との違いが生まれてきたという内容です。

 

 このように噛むこと、特に前歯で噛むことは顎に力を伝え顎の発達に非常に大切ですが、いま私たちが食べる食事は問題があります。それは、食事が柔らかくなり、しっかり噛まなくても問題なく飲み込めてしまうということです。

 

 各時代の食事を復元し、その食事を完食するまでの噛む回数を比較した【よく噛んで食べる忘れられた究極の健康法 斎藤滋著より】という本があります。

 

 その本によると、卑弥呼の時代の弥生時代の噛む回数は3990回に対し、現代はわずか620回にしか過ぎません。

現代のカレーや、ハンバーグ、シチューといった子供に人気の食事は、柔らかい前歯でも嚙み切らないでも飲み込めてしまいます。この回数の変化が、いまの子ども達の歯並びが悪くなっていることの原因になっていると思います。

 

いえだ歯科医院では、歯の話だけではなく、顔の成長に関してのお話もさせていただいております。

 

次回、もう一度噛むことの大切さについてお話ししますね!!